目の下にクマがあると老けて見えたり、暗い表情に見られがちです。クマを解消するためにアイクリームを使ったセルフマッサージを取り入れている人もいるでしょう。
目の下のクマには4種類あり、それぞれ原因や症状、対処法が異なります。誤ったケアを続けていると、クマが改善されないどころか悪化してしまう可能性も。
ここからは、クマの種類別の原因や正しいセルフケアの方法、クリニックでの治療法について詳しく解説します。目の下のクマをスッキリ解消したい人は、ぜひ参考にしてください。
目の下のクマの種類と原因
目の下にできるクマには、青クマ・茶クマ・黒クマの3種類あります。
クマの種類によって症状や原因が異なります。ここからは、4種類のクマの症状や原因について詳しく解説します。
・青クマ
青クマや目の周りの血行不良で毛細血管が透けてみえる状態です。
血行不良で還元ヘモグロビンという暗赤青色の血液が増えることで青黒く見えます。下まぶたを下に引っ張ると、色が薄くなる場合は青クマの可能性が高いといえます。
長時間スマホやパソコンを使用して目を酷使したり、寝不足や疲れ、運動不足によって生じるのが青クマです。
色白の人は青クマが目立ちやすい傾向に。また、年齢を重ねると目の周りの皮膚が薄くなるため、青クマが目立ちやすくなります。その他に、むくみがあると血流が滞るため、青クマができやすくなります。
・茶クマ
茶クマはメラニンによる色素沈着が原因で、茶色くくすんで見える状態です。
目の周りの皮膚は表皮0.02mmと非常に薄いため、他の部位に比べて刺激や乾燥、紫外線に弱いのが特徴。そのため、スキンケアで目の周りを擦る刺激や、目元の保湿不足で乾燥して茶クマができることがあります。
本来なら、ターンオーバーによって自然と剥がれ落ちるメラニンですが、何かしらの影響でターンオーバーが正常に行われず、メラニンが蓄積されることも。そうなると色素沈着が進行して茶クマができることがあります。
下まぶたを下に引っ張ったときに、皮膚と一緒にクマが移動する場合は茶クマの可能性が高いといえます。
・黒クマ
黒クマは、目の下のたるみの影響で、影ができて黒っぽく見える状態です。主な原因は加齢による目の周りの筋力の低下です。また、コラーゲンの減少により、肌のハリがなくなることも原因のひとつです。
目の下に膨らみがあると、皮膚のたるみ部分が影のようになり、黒クマが目立ちやすくなります。上を向くとクマが薄くなったり消える場合は、黒クマの可能性が高いといえます。
目の下のクマを薄くする方法
クマは適切なセルフケアを取り入れることで、薄くすることができます。
ここからは種類別に、クマを薄くするためのセルフケアの方法について紹介します。すぐに取り入れられるものばかりなので、今日から実践してクマのない明るい目元を手に入れましょう。
▪青クマ
青クマは手術による改善がベストですが、セルフケアでは、血行を改善することと、目を休めることが重要です。
【血行を改善する】
血行不良が原因となる青クマは、血行を改善することがもっとも重要です。
普段シャワーだけで入浴を済ませている人は、湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。ゆっくり入浴できない場合は、ホットタオルやアイマスクを目元に乗せて温めましょう。
【目を休める】
パソコンやスマホを長時間使用すると目が凝り固まり、目元に負担がかかってしまいます。
パソコンやスマホを見る時間をできるだけ減らし、1時間に1回程度は休憩を入れて目を休ませるようにしましょう。
上記を試して改善しない場合、手術が適応になる可能性が高いです。
▪茶クマ
茶クマへの対策で有効なのが、丁寧なスキンケアと紫外線対策です。
【スキンケア】
目元を十分に保湿することが大切ですが、ケアする際に強い力を加えないようにしましょう。
茶クマはメラニンによる色素沈着が影響しているため、メラニンの生成を抑えるビタミンC誘導体やトラネキサム酸が配合された医薬部外品の化粧品がおすすめです。
【紫外線対策】
外出時には紫外線対策を徹底しましょう。
目元は皮膚が薄く紫外線の影響を受けやすいため、季節や天候を問わず日焼け対策しましょう。日焼け止めや帽子・日傘を活用して、紫外線から肌を守りましょう。
・黒クマ
黒クマの対処法としては、手術による改善がベストです。
美容整形による目の下のクマの取り方
セルフケアでクマが改善されない場合は、美容整形によるクマ取り治療を検討してみましょう。
2種類のクマが併発していたり、原因がわからない場合は医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
クマ取り治療には、大きく分けて3つあります。それぞれの治療法の特徴や、どのようなクマに有効なのか、詳しくみていきましょう。
・脱脂
脱脂とは、クマの原因となる目の下のふくらんだ脂肪を除去する施術で、黒クマの治療に適しています。
目の裏から脂肪を除去するため、傷跡を残すことなくクマを改善できます。ただし、適応を見誤ると逆にリスクを伴うことも。たるみが多い中高年が脱脂することで、頬のたるみやシワが目立つ可能性があります。
脱脂では血行不良や色素沈着は改善されないため、青クマや茶クマには効果が期待できません。
・ヒアルロン酸
目の下のくぼみをヒアルロン酸で補うことにより、凹凸のない下まぶたに整えることができます。ヒアルロン酸注入も、目の下のふくらみやたるみが原因となる黒クマに適した治療法です。
他の施術に比べて費用が安いメリットがあります。
ただし、効果の持続期間が短いため、繰り返し施術しなければいけないデメリットも。持続期間には個人差がありますが、一般的には数ヶ月から1年程度です。また人工物を注入するため、仕上がりが不自然になる可能性もあります。
ヒアルロン酸注入も脱脂と同様に、青クマや茶クマを治療することはできません。
・脂肪注入
脂肪注入は、自身から採取した脂肪を目の下に注入する施術で、どのタイプのクマにも適した治療法です。
黒クマの場合は、ボリュームを調整することで目の下の凹凸を解消し影をなくします。脂肪は肌色に近く、血流改善の作用も期待できるため、青クマや茶クマにも対応できます。
ヒアルロン酸のような人工物ではなく、自分の組織を注入するため合併症のリスクが少ないメリットもあります。
クマを目立たなくするメイク方法
クマはメイク次第で目立たなくすることもできます。
ここからはクマの種類別に、目立たなくするメイク方法を紹介します。一時的にでもクマを隠したい人は参考にしてください。
・青クマ
目の周りの血行不良による青クマは、不健康な印象に見られがちです。そんな青クマをカバーするには、オレンジ系のコンシーラーがおすすめです。
オレンジは青の補色となり、クマの色が薄く見えます。その他に、ピンク系のコンシーラーもいきいきとした明るい印象に仕上がります。
・茶クマ
色素沈着による茶クマには、イエロー系やベージュ系のコンシーラーがおすすめです。
イエロー系やベージュ系のコンシーラーは、目の下のくすみをカラー補正し、透明感をプラスします。
コンシーラーを選ぶときは、自分の肌と同じくらいの明るさのものを選びましょう。明るい色を選ぶと、浮いて見える場合があるため注意してください。
・黒クマ
皮膚のシワやたるみが影となってできる黒クマには、パールやツヤ感のあるアイシャドウを使用しましょう。
ホワイトパールなど明るめのカラーを目の下に塗ることで、影が目立たなくなりクマを隠せます。
- クマには病気が隠れている可能性もある
クマは病気と直接関係ないことがほとんどですが、時として病気が潜んでいる可能性もあります。
目の下にクマができる可能性がある病気について詳しくみていきましょう。
・バセドウ病
甲状腺ホルモンが過剰に作られるバセドウ病には、体重減少や動悸、下痢、視力低下など、さまざまな症状があります。
中でも眼球突出の症状がみられた場合、眼窩脂肪が前へ出てくることでクマに見えることがあります。
・がん
がんによって体重が急激に減った場合、目の下の皮膚がたるんでクマにみえることがあります。
がん以外に、糖尿病や胃潰瘍、十二指腸潰瘍など、体重が減少する病気を患うとクマができやすくなります。
・貧血
貧血になると、赤血球中のヘモグロビンの濃度が低下し、めまいや息切れ、立ちくらみなどの症状が起こることがあります。
血行不良を引き起こし黒っぽい血液が増えると、目の下が青っぽくクマに見えることがあります。
・アトピー性皮膚炎・花粉症
アトピー性皮膚炎や花粉症で目にかゆみが生じると、頻繁に擦ってしまいがちです。
皮膚が薄い目の周りは外部からの刺激を受けやすく、色素沈着を起こしやすくなります。
目元に繰り返し刺激が加わることで色素沈着し、クマにみえることがあります。
目の下のクマに関するよくあるQ&A
美容クリームは茶クマには有効ですが、黒クマには効果がありません。
青クマならマッサージで血行がよくなり、クマが解消されるケースもあります。また、美白作用のある美容クリームなら、色素沈着による茶クマの改善が期待できます。
ただし、黒クマのように目の下の皮膚のたるみやふくらみへの効果はありません。マッサージすることで、逆にシワやたるみが助長されるケースもあります。
セルフケアには即効性は期待できません。青クマや茶クマを消したい場合も、長期的にコツコツ継続する必要があるため、すぐにクマを消したい人には不向きです。
男性に多いのは黒クマで、加齢による目元のたるみが主な原因となります。
黒クマは40代以降の年代で、必ずといっていいほど出てくる症状です。
クマは目の下にできるくすみや影です。それに対して、涙袋は目元の筋肉が発達した状態です。
せっかく涙袋があっても、クマがあると涙袋が目立たなくなります。目の下にクマによるたるみがあると、それに埋もれて涙袋の膨らみが見えなくなるからです。
涙袋の魅力を活かすためにも、クマをスッキリ解消しましょう。
黒クマ取りは、施術から数年もつことが多く、中には10年以上維持できるケースもあります。一度施術を受けると、ゆ着が起こるため、その後もたるみにくくなります。
加齢とともに目の下がたるんでくることは避けられませんが、すぐに黒クマが再発するようなことはないでしょう。
青クマは治療できたとしても、何年もつかは人によって異なります。血行不良にならなければ一生再発しないとも言えます。逆にストレスや疲労が溜まる生活を送っていると、すぐに再発することも考えられます。
茶クマも青クマと同じく、持続期間の目安はありません。目元に刺激を与えたり擦ったりする習慣を直さなければすぐに再発するでしょう。茶クマができないように、生活習慣を改善することが大切です。
見た目の印象を変えるためのクマ取り治療は、保険適用されません。
ただし、クマによって視野が狭くなったり、眼球が乾燥することで目が痛むなど、日常生活に支障を来たす場合に限って、保険が適用されます。
目の下のクマに効くのは、ビタミンEが豊富に含まれた食べ物です。
ビタミンEが豊富に含まれている食材には、以下のようなものがあります。
- ほうれん草
- かぼちゃ
- アボカド
- うなぎ
- アーモンドなどのナッツ類
フルーツに多く含まれるビタミンCには、ビタミンEの働きを高める働きがあります。そのため、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂取することは、クマの解消に有効だと考えられます。
目の下のクマはニベアでは改善できません。
ニベアと高級クリームの「ドゥ・ラ・メール」の成分が似ていることから、目の下のたるみが改善できるとの口コミが広まりました。
しかし、実際には「ドゥ・ラ・メール」は12年かけてオリジナルで開発された成分が原料となっているため、同じ効果は期待できません。
ストレスが原因でクマができることはあります。
ストレスが多いと末梢の血管が収縮しやすくなり、血行不良を招きます。血行が悪くなると二酸化炭素を含んだ黒っぽい血液が目の下に停滞し、青っぽく見えます。
また、ストレスが溜まると免疫力が下がり病気になったり、体が疲れやすくなるため、クマを悪化させる可能性があります。